2010年06月26日
朝鮮半島有事に際して、米韓連合軍司令官が持つ韓国軍の指揮権(作戦統帥権)の2012年4月17日移管予定を15年12月1日に延期で合意。
2010年06月24日
韓国の市民運動団体、参与連帯が6月11日に国連安保理に、哨戒艦「天安」沈没事件の軍民合同調査団報告書にいくつかの問題点と疑問点が有るとする文書(The PSPD’s Stance on the Naval Vessel Cheonan Sinking)を送ったことで、「国家保安法」嫌疑の捜査をうけるなど、不当な弾圧にさらされています。(参考: STOP Oppression & Prosecutors’ Investigation on PSPD)
参与連帯の指摘した疑問点は、
- 魚雷による水柱はあがったのか?
- 生存者や犠牲者に魚雷爆発による重傷が見当たらないのは?
- 事故当初からのTOD映像が無いのは事実か?
- 船体に爆発による損傷が見られないのはなぜか?
- 何故ガスタービン室の発見・回収を隠したのか?
- 爆発の証拠物質が火薬ではなくアルミ酸化物なのは?
- YONO級潜水艦外観はどのようなもので、韓米の監視に何日も検知されなかったのはなぜか?
- 魚雷発射が検知できなかったのは?
という、どれも極めて当然の疑問です。
そして、調査過程の問題点としてあげたのは、
- 軍が哨戒艦の基本的情報を公開しなかった、
- TOD映像の隠蔽・説明改変、
- 市民の疑問に対して政治的・法的措置をとった、
- 軍民合同調査団が実質市民を排除、
- 市民による調査を制限、
- 海外から参加した調査メンバーの役割が不明、
という、調査の正当性に疑問を起こさせるような根本的な問題で、それぞれ事例を挙げて説明しています。このような正当な疑問・意見表明が不当な弾圧を受ける事は許されません。
原水禁・平和フォーラムは、大韓民国大統領と日本の内閣総理大臣に以下の書簡をおくりました。
参与連帯が国家保安法嫌疑による捜査など不当な弾圧を受けることを憂慮する書簡
大韓民国大統領 李明博 様
内閣総理大臣 菅直人 様
平和と民主主義を求める市民団体として、
この書簡をお送りさせていただきます。
1994年の発足以来、民主主義の実践を通して政治的発言権を拡大してきた市民団体、参与連帯が、正当な活動に対して弾圧を受けるようなことがあってはなりません。
参与連帯は、6月11日に哨戒艦「天安」沈没事件の軍民合同調査団報告書にいくつかの問題点と疑問点が有るとする文書を国連安保理事国に送りました。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と大韓民国李明博政権に対して、挑発的な威嚇や軍事行動を起こさないように要求、また韓国政府に疑問の残る沈没事件の合同調査の更なる調査と国民への説明を要求するもので、国連安保理に対しては、緊張高まる情勢にある朝鮮半島の平和を最重視した判断を求めるものです。
哨戒艦の沈没原因を北朝鮮の魚雷攻撃によるものと断定し、国連安保理での北朝鮮非難決議を求めている李明博政権は、国民への説明責任を果たさずに、この要求に対して民主国家としてあり得ない弾圧を加えようとしています。また韓国政府外交通商部は15日、「わが国の外交努力を阻害するもので極めて遺憾な行動」と参与連帯を批判、検察も国家保安法の嫌疑、刑法上の名誉棄損などで捜査をはじめました。与党ハンナラ党、大統領府広報や首相などが、「利敵行為」、「国益に反する行為」などと非難するなか、参与連帯本部前では連日、保守系団体が糾弾集会を開く事態となっています。
哨戒艦の沈没事件が極めて重要な政治・外交課題であるにせよ、そのことの調査・報告に対して疑問や意見を表明するための民主的手続きは、全世界の国民に等しく与えられる権利と考えます。李明博政権の参与連帯への弾圧は国際的人権規約に反するものであり、極めて遺憾であるとせざるを得ません。
李明博政権は、即時にこのような弾圧姿勢を改め、国民の疑問に対しては丁寧に答える必要があります。そのことを実行しないかぎり国際的な説得力を持ちません。
安保理議長国メキシコのヘラー国連大使は14日、安保理として合意した議長所感として、「安保理は、乗組員46人の犠牲を招いたこの事件と、事件が朝鮮半島の平和と安定に及ぼした影響を深刻に懸念する」とし、「安保理は、同地域の緊張を高める可能性がある行動を自制するよう関係国に強く求める」と述べました。
日本の菅直人首相は22日、韓国海軍哨戒艦沈没に関する関係閣僚会議で、「日米韓の連携強化が重要だ」とし、「オバマ米大統領、李明博・韓国大統領としっかり3国が一致してこの問題に当たることを確認したい」と述べ、哨戒艦対応が焦点になるG8サミットで、北朝鮮を厳しく非難する李明博政権支持の立場を明確にしています。多くの疑問が氷解されない中で、一方的な非難をもって朝鮮半島および東北アジアの緊張をもたらす姿勢は短慮であるとの非難を免れません。
平和フォーラムは、日韓両国政府に対して、民主的姿勢を堅持しつつ東北アジアの平和を最優先し、自制的な態度で事態の処理に臨むことを強く要請します。加えて慎重姿勢を見せているロシア・中国とも協力し、東北アジアにおける平和醸成に重要な課題となっている六カ国協議の再開を追求するよう要請します。
2010年6月24日
フォーラム平和・人権・環境 / 原水爆禁止日本国民会議
事務局長 藤本 泰成
2010年06月24日
原発について学びたい若者を対象とした、澤井正子さん(原子力資料情報室)による講義。約30人参加。