「プルサーマル実施に抗議する福島県集会」開催(福島県大熊町)
2010年09月19日
2010年09月17日
9月10日、日本原燃(株)は、青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場の完成を、当初2010年10月であったものを2012年10月へと2年間延期すると発表しました。これで18回目の延期となりました(事業指定を受けた1992年以降で14回目の延期に当たる)。合わせて「財務基盤強化策」として4000億円もの巨額な資金の増資を10電力会社を中心に要請することも発表しました(現在の資本金は2000億円)。
これまで行ってきたアクティブ試験(試運転)の最終段階で高レベル放射性廃棄物ガラス固化体製造施設でのトラブルで、2008年12月以降停止したまま長期中断に追い込まれていましたが、さらにその解決の見通しもたたないまま、泥縄的な今回の延長となりました。しかし、その延長で必ず問題が解決するとは限りません。むしろ、度重なる完成時期の延長は、六ヶ所再処理工場が欠陥工場であることを物語っています。「商業」施設と位置づけられている再処理工場は、その前提として完成された技術(?)が前提であり、「研究」施設ではないはずです。だからこそ度重なるトラブルはその技術の未完成を端的に示しています。そのことは地域住民にも多くの不安を与えるものです。
再処理工場の度重なる延長で、原子力政策の無計画性が明らかになりました。このまま六ヶ所再処理工場が稼働しなければ、これまで進めてきた核燃料サイクル路線そのものが破綻することは明らかです。まさに六ヶ所再処理工場はその結節点に立っています。さらに工場の完成が遅れれば遅れるほど、原発の使用済み核燃料を搬出できずに、原発は停止せざるを得ません。現在進めている全量再処理とする核燃料サイクル路線が早晩行き詰まるのは明らかです。
費用が益々膨らむことも明らかです。当初建設予算が7600億円だったものが、すでに2兆2000億円にまで膨れあがりましたが、それでもいまだ完成していません。さらに日本原燃の有利子負債残高は、1兆円を超えており、経営への影響が懸念されています。それらの負債や今後の莫大な経費の負担は、私たちの電力料金などから徴収され、結局は政策の失敗のツケを国民に回すものでしかありません。
日本原燃の川井吉彦社長は、三村申吾青森県知事に対して「延期は今回が最後」として「全身全霊」で取り組むことを約束しました。はたして本当に実現できるのでしょうか。技術的な裏付けのないまま進めてきたこれまでの事実を考えれば、2年後にまたしても「延期」は容易に想像できます。それにもかかわらず、安易な先延ばしを図る事業者に対しては、県民も国民も不信感を高めています。
いま大切なことはもう一度立ち止まって、核燃料サイクル政策の見直すことです。第二再処理工場の見通しも立たない中、全量再処理にこだわり、プルサーマルを進めるための核燃料サイクル政策を続けることは、まさにムリ・ムダ・危険を拡大再生産することでしかありません。私たちは、原子力政策大綱の見直しと共に、あらためてプルトニウム利用路線からの撤退と六ヶ所再処理工場の建設中止を強く求めるものです。
2010年9月17日
原水爆禁止日本国民会議
議長 川野 浩一
2010年09月16日
キャンベル米国務次官補が上院で証言し、6ヵ国協議再開の条件として、「南北対話の再開」「核放棄の確約を盛り込んだ2005年共同声明履行の意思表明」が必要と述べる。