東京電力が福島第1原発の廃炉作業を報道陣に公開。
2013年06月12日
2013年06月12日
2013年6月12日
内閣総理大臣 安倍晋三様
原子力委員会委員長 近藤駿介様
原子力規制委員会委員長 田中俊一様
国土交通大臣 太田昭宏様
経済産業大臣 茂木敏充様
原水爆禁止国民会議(原水禁)事務局長 藤本泰成
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11連合会館1F
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日本原燃による六ヶ所再処理工場運転開始計画及び
フランスからのMOX燃料輸送計画についての申し入れ 2
2013年3月22日、添付のような「日本原燃による六ヶ所再処理工場運転開始計画及びフランスからのMOX燃料輸送計画についての申し入れ」をお送りし、御回答をお願いしましたが、未だ、御回答頂いておりません。欧米の団体の情報では、高浜原子力発電所3号機用のMOX燃料を積んだフランスからの輸送船が6月13日にも、日本に到着するとのことです。
改めて以下の通り申し入れをしますので、御回答お願いします。
記
1.原子力委員会は、2003年8月5日の決定「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」において、核拡散防止面での懸念に応えるためとして、六ヶ所再処理工場でのプルトニウムの分離について次のように定めています。
「電気事業者は、プルトニウムの所有者、所有量及び利用目的を記載した利用計画を毎年度プルトニウムを分離する前に公表することとする。利用目的は、利用量、利用場所、利用開始時期及び利用に要する期間の目途を含むものとする。」
「この措置により明らかにされた利用目的の妥当性については、原子力委員会において確認していくこととする。」
今年3月26日の原子力委員会定例会議において、電気事業連合会は、「運転中及び停止中の発電所の新安全基準の適合性確認方法、及びその手続きは未定であるため、再稼働の見通しが立たない状況にある。また、建設中の発電所も今後の工程の見通しが立たない等、同様である」として、利用計画をいまは提出できないと説明しました。
日本はすでに、約44トンのプルトニウムを保有しています。長崎型原爆5000発分以上の量です。
2.2003年8月5日決定は、海外保管のプルトニウムについて次のように定めています。
「海外で保管されているプルトニウムは、プルサーマルに使用されるものについては、海外でMOX燃料に加工された上で我が国に持ち込まれることとなる。そのため、その利用について平和利用の面から懸念が示されることはないと考えられるが、透明性の一層の向上の観点から、燃料加工される段階において国内のプルトニウムに準じた措置を行うものとする。」
報道によると、関西電力は、高浜3号機へのMOX燃料の装荷については再稼働の議論や地元の判断を踏まえて決める方針で「現時点では判断していない」とのことです。そして、上述の通り、同機を含む原子力発電所が再稼働されるかどうかの判断ができないと、電気事業連合会が3月26日に述べています。つまり、燃料加工の時点では、利用計画が存在したが、現在では存在しないということです。今回輸送されているのは、関西電力が、2010年9月30日に、高浜3号機用MOX燃料20体の製造が終了したと発表していたものの全部または一部です。全部だとすると、約900kgのプルトニウムが含まれています。長崎型原爆100発分以上の量になります。現在、海外から運び込まれた合計960kgのプルトニウムを含むMOX燃料が次の5つの原子炉で保管されています。柏崎刈羽3号(28体205kg)、浜岡4号(28体 213kg)、高浜4号(4体 184kg)、伊方3号(5体 198kg)、玄海3号(4体161kg)。柏崎刈羽の場合は、2001年3月以来、12年間も置かれたままになっています。
以上のことから、次のように申し入れます。
1.政府は、これ以上分離済みプルトニウムを増やさぬよう再処理政策を改めること。原子力委員会は、英仏にあるプルトニウムを考慮して、「利用目的の妥当性について確認」する際の厳密な基準を明確にし、現在の再稼働未定の状況に鑑み、どのような状況において六ヶ所再処理工場におけるプルトニウム分離を妥当でないと判断するのかを示すこと。また、原子力規制委員会は、六ヶ所再処理工場他のセキュリティ体制の強化の方針を示すとともに、プルトニウムをこれ以上分離することについて、核セキュリティ上の問題に関する規制方針を明らかにすること。
2.原子力委員会は、自らが定めた2003年の方針に反する今回の輸送を認めた根拠を明らかにするとともに、同様の「例外的措置」を六ヶ所再処理工場について認めることがあるのかどうかを明らかにすること。原子力規制委員会は、上記の保管中のMOX燃料のセキュリティ体制の強化を図ること。原子力規制委員会及び国土交通省は今回、不必要なリスクを伴うMOX輸送を認めた理由を国際社会に説明すること。
→前回の申し入れ(2013.3.22)