2013年10月

米核安全保障局(NNSA)は30日までに、少量のプルトニウムを使って核兵器の性能を調べる実験を、今年7月~9月に1回実施したとウェブサイトで明らかにした。

2013年10月31日

安倍首相、トルコへの正式受注を確定

2013年10月30日

 安倍首相は国会会期中の28~30日、両国の経済協力の進展を目的にトルコを訪問。原発輸出の正式受注を確定させた。経団連の米倉弘昌会長らも同行していた。安倍首相は今年5月にもトルコに訪れており、両国の原子力協定締結で合意していた。

原発事故時の避難計画、策定済みは38市町村にとどまる

2013年10月27日

 国の原子力規制委員会が原子力災害対策指針に基づき、全国の原発30キロ圏内にある21道府県136市町村に策定を求めている原発事故時の避難計画について、策定済みが38市町村にとどまっていることが毎日新聞の調査で分かった。(10月27日付け毎日新聞)

東京電力が除染費用の支払いを拒否

2013年10月27日

 東京電力が除染費用の支払いを拒否していることが、朝日新聞の調べでわかった。除染費用は国がいったん肩代わりし、最終的に東電が全額負担することが、放射性物質汚染対処特別措置法で決まっていた。

「核兵器の人道的結末に関する共同声明」への日本政府の参加に際しての声明

2013年10月25日

 

「核兵器の人道的結末に関する共同声明」への日本政府の参加に際しての声明

 

原水爆禁止日本国民会議
(原水禁)
議長 川野 浩一

 「核兵器は巨大で制御不能な破壊力を持ち、無差別に受け入れがたい人道的結末を引き起こす。いかなる状況においても二度と核兵器が使用されないことが人類の生存の利益である」
 これは、10月22日(日本時間)に国連総会第一委員会において日本も含め125カ国が賛同した「核兵器の人道的結末に関する共同声明」の趣旨です。参加にあたって日本政府は「唯一戦争の被爆国であり、核兵器の使用の悲惨さをもっともよく知る我が国として支持するものです」との外務大臣談話を発表しました。これまで同趣旨の声明への参加を見送ってきた日本政府に対して、田上富久長崎市長は、今年の平和宣言の中で「これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反します」ときびしく批判しました。日本政府の官界の参加は、広島市・長崎市、被爆者、多くの平和団体、世界各国のNGOのたゆまぬとりくみの結果として、心から歓迎するものです。今後、日本政府が核廃絶への強力なイニシアティブをとることを強く要請します。
 また、大阪地裁は10月24日、在外被爆者への被爆者援護法の全面適用をめぐる訴訟の判決で、韓国在住の被爆者からの医療費支給申請を却下した大阪府の処分を取り消しました。この判決は「戦争を遂行した国が自らの責任で救済を図る国家補償の援護法が、在外被爆者には適応しないとする合理性はない」としています。関係諸機関は、この判決を真摯に受け止め、被爆者の側にたって対応することを強く求めます。
 被爆者は、戦後社会を貧困と差別、病魔と闘いながら生きてきました。それ故被爆者は、単に自らの補償だけではなく、「世界から核兵器を廃絶する」「二度と被爆者を出してはならない」という強い思いを世界に発信し続けてきました。今、日本では福島原発事故によって放射線被害の恐怖にさらされている人々がいます。事故の収束に向けて放射線の恐怖と闘いながら日夜努力している人々がいます。「二度と被爆者を生まない、NO MORE HIBAKUSYA」の思いは、福島にも向けられています。
 長崎に落とされた原子爆弾はプルトニウムを利用してつくられました。日本は、原子力政策・核燃料サイクル計画の中で、長崎型原爆約5500発分ともいわれる大量のプルトニウムを所有しています。世界からは「核保有国」との指摘もあります。原水禁は、「核と人類は共存できない」として、すべての核利用に反対をして運動を展開してきました。「被爆者に寄り添い、新しい社会をつくる」。このことを基本に、東日本大震災・福島原発事故を契機に、原子力政策・核燃料サイクル計画から脱却し、原発も核兵器もない世界をめざすことが求められています。
 原水禁は、日本政府の「核兵器の人道的結末に関する共同声明」への参加に対して、そのことを強く求めます。
 

 

在外被爆者らの申請を却下した大阪府の処分を取り消す判断―大阪地裁

2013年10月24日

 在外被爆者に対し、被爆者援護法に定める医療費の全額支給規定が適用されるかどうか争われた訴訟の判決で、大阪地裁は24日、被爆者らの申請を却下した大阪府の処分を取り消す判断を示した。

止めよう再処理!共同行動ニュース10/23号の記事から

2013年10月23日

いまさら技術開発?-ガラス固化技術開発施設

未完成な技術のガラス固化施設
 六ヶ所再処理工場の新たなガラス固化技術を開発するための研究・開発拠点となる「ガラス固化技術開発施設」が10月15日に完成し、公開されました。これは、これまで度々トラブルを起こし満足に試験が進まなかったこれまでの「ガラス固化施設」に代わる、新たな技術開発を行うものと期待されています。しかし、この施設の存在は、これまでの技術が未完成なものであることを証明しているようなものです。今から「技術開発」をしようとするなど、これまでの設計・建設の段階では考えられなかったことです。「完成された技術」が商業用再処理工場の前提のはずなのに……。
 六ヶ所再処理工場を動かすことによって、高レベルの放射性廃棄物がガラス固化されると同時に、プルトニウムが生み出されますが、そのプルトニウムの利用先であるMOX燃料を使うプルサーマル計画は、いまだはっきりしていません。利用計画が明示されてはじめて再処理されることが前提になっています。現在、原発稼働は「ゼロ」ですが、5電力7原発14基が原子力規制委員会に再稼働を申請しています。その中でも泊原発1、2号機が審査保留中、柏崎刈羽原発も審査保留が検討されるなど、厳しい状況にあります。他の原発も審査資料の提出に手間取るなど再稼働の審査そのものが大幅に遅れています。今後、自治体の了承や防災対策の問題などさらに課題が重なり、再稼働そのものはさらに先になりそうです。
 
無用の長物と化す可能性
 8月28日に再処理とめたい!首都圏市民のつどいが経済産業省に申し入れた際には、「現在のプルサーマル計画の予定は2015年度に16~18基の原発で実施する予定になっている」と、若手の官僚は回答しました。あきらかに実現性がないにもかかわらずこれまでの方針をただオウム返しのように答えていました。
しかし、計画そのものが破綻していることは明らかです。例え幾つかの原発が再稼働してもたいしたプルトニウムの消費にはつながらず、余剰プルトニウムを大量にかかえることになります。ガラス固化施設そのものがまともに動くとは思えません。今頃「技術開発」などと言っていたら、現行の施設がダメになったとき、その開発が間に合わないという間抜けな施設になることも考えられます。

 

もんじゅの研究開発の中止を!

安全意識の欠如した原子力機構
 日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、文部科学省で、1万数千点もの機器の点検漏れが発覚し、原子力規制委員会は、原子力機構の度重なる安全軽視の姿勢に対して、6月29日には、再発防止にむけた安全管理体制が確立されるまで運転再開の準備作業を行わないこととする使用停止命令を出しました。その後も機器の点検漏れが明らかになり、現時点でその数は14000点をこえるまでになっています。原子力機構が、これまでこのような状況を放置したまま「年度内再開」を求めていたことは大きな問題です。原子力機構の安全に対する認識の甘さが厳しく問われるものです。
 さらに9月16日にもんじゅにつながる唯一の県道(避難路として唯一)と敷地内の道路で相次いで土砂崩れが発生し、9時間も孤立しました。さらに同日、今年6月に続き、原子炉の状況などを監視する国の緊急時対策支援システム(ERSS)へのデータ送信が止まりました。18日にはナトリウム漏れ検出器が人為ミスで監視不能になるなど問題が多発しています。
 動燃時代から、もんじゅや東海再処理工場アスファルト固化施設等の事故・情報隠しで、安全文化の欠如が問われ、それから20年近く経った今でも事業者の安全意識が希薄なことに驚かされます。福島原発事故で原子力の「安全神話」が崩れ、さらなる安全・安心を追求しなければならないのが原子力事業者の立場であるにもかかわらず、様々なトラブルを起こし続けていることは、原子力を扱う資質そのものが根本から問われるものです。

巨額な資金投入に未来はあるか?
 もんじゅは停止中にもかかわらず1日約5500万円とも言われる維持費がかかり、今回の停止命令で運転再開そのものがますます不透明になり、ムダな経費がさらにつぎ込まれようとしています。そのもんじゅに2014年度概算要求として、本年度当初予算174億円からさらに21億円上乗せした195億円を計上しています(しかし運転再開の経費は今回計上されておらず、運転再開は2015年度以降となる)。さらに原子力機構がもつ研究施設に対する新規制基準に対する対策費として74億円も計上しています。
 もんじゅは、これまで2兆円もの巨費を投じながら実用化への目途もたっていないのが現実です。原型炉・もんじゅの後継となる実証炉は、もんじゅとはまったく違った設計概念で描かれており、もんじゅの存在意義すら否定されています。そのようなもんじゅにこれ以上研究開発に血税をこれ以上投入することの意義は見出せません。
 さらにもんじゅには、原子炉施設直下の断層(破砕帯)の問題があります。原子炉建屋直下にある8断層のうち最大とされる「a破砕帯」(約70メートル)が炉心の西約500メートルをほぼ南北に走る活断層「白木(しらき)-丹生(にゅう)断層」(約15キロ)と連動して動くかが最大の焦点となっています。また敷地南東にある線状地形「L-2」も活断層の可能性が指摘されています。原子力機構は、活断層の追加調査(5月の時点では「活断層でない」との調査報告をあげた)の計画書を原子力規制委員会に提出し、来年3月までに結果をまとめ、規制委に報告するとしています。問題の断層が活断層かどうかの調査は長期化し、さらに運転再開は不透明感を増しています。
 これ以上先の見通しのない高速増殖炉開発に貴重な税金を投入することは許されません。福島原発事故の収束に全力をあげ、英知と資金そして人材を投入すべきときに、このような「ムダ」に貴重な資源や資金を投入することは国際的にも許されるものではありません。さらに安全文化の欠如した原子力機構に、これ以上高速増殖炉開発を担う資格はないと考えます。もんじゅが止まれば、再処理の意義も失われます。

日本が「核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明」に初めて署名

2013年10月22日

 国連総会第1委員会で21日、日本は初めて「核兵器の非人道性と不使用を訴える共同声明」に署名した。賛同国は日本を含め125ヵ国。今年4月に発表された同様の声明には日本は賛同せず、被爆地などから批判が出ていた。

「追加被ばく線量を年1ミリシーベルトにこだわる必要はない」―IAEAの専門家チーム

2013年10月21日

 福島第1原発事故で除染の状況を検証していた国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが21日に記者会見を行い、「追加被ばく線量を年1ミリシーベルトにこだわる必要はない」と言及。

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