2013年11月
2013年11月27日
特定秘密保護法案反対!
国民の知る権利を奪い原発の闇がさらに深まるばかりだ
昨日(11月26日)、特定秘密保護法案が衆議院本会議で自民、公明やみんなの党の数の力で強行採決されました。今後、審議は参議院に移されますが、「特定秘密」が乱発され、情報統制が強まり、国民の知る権利が大幅に損なわれようとしています。私たちは、国家による情報統制は、原発関連の情報統制にもつながるもので、この法案の衆議院通過に対し大きな怒りとともに法案そのものに強く反対するものです。
この法案採決に先立ち、11月25日に東京電力福島第一原発事故の地元福島で開かれた地方公聴会で、与党側が推進した2人を含め7人の陳述人全員が法案の慎重審議や廃案を訴えました。しかし、翌日には即採決という、何の意見反映もなされないまま、またもや福島が自公政権に踏み台にされた形になりました。許しがたい利用主義です。
そこでも多くの懸念が指摘されましたが、その一つに原発関連の情報が統制対象にされることです。すでに国会答弁でも明らかになりましたが、原発施設の警備情報はテロ防止のために公表されないとされています。輸送情報などもその対象になっていくことでしょう。知らない間に自分の傍を核燃料や廃棄物が輸送されていること自体が「秘密」となっていくことも予想されます。原発で働く多くの人々にとってもそこで見たものが「秘密」となり、「被曝労働の実態も「秘密」のベールの中に隠されようとしています。これまで事故隠しやデータ改ざんなど様々な不正が明らかになってきた原発が、この法案によりさらに原発の問題が闇の中に入ってしまう恐れがあります。それは、「国民の知る権利」の侵害とともに「安心・安全」という基本的な「生存権」の侵害でもあります。これまいで以上に情報統制がなされる中で、どのように安全をチェックできるのでしょうか。核管理社会が一層強まるものでしかありません。
法案は曖昧で、憲法に抵触するという懸念が多くの専門家からも指摘されています。また、国民世論の多くは今回の法案に反対ないし慎重な審議を求めていることも報道されています。この法案がもたらす社会は何か。戦前のような戦争遂行を目的に、軍機保護法や多くの自由を制約する法律の下で、物言えない社会で怯えてくらした社会に進もうとするのでしょうか。そのような社会をだれが望むというのでしょうか。
民主主義を破壊し、憲法を骨抜きにする「特定秘密保護法案」に私たちは断固反対します。
高レベル放射性廃棄物の地層処分は無責任!
小泉純一郎元総理が、高レベル放射性廃棄物の処分問題で、「核のゴミを処分する場所のあてもないのに原発を進めていくほうが、よほど無責任じゃないか」と発言し、原発即時ゼロを訴えています。そのことでにわかに高レベル放射性廃棄物の処分問題がクローズアップし、これまで進展していなかった最終処分場の自治体公募方式を見直し、最終処分場の候補地選定に「安全に処分できる地域を国が科学的に示す」(総合資源エネルギー調査会中間報告)として、国が主導して候補地選定を行う方針を明らかにしました。候補地とされた自治体は、国策との対決を迫られることになります。福島や沖縄などこれまで国策に翻弄されつつけた結果、苦しい現状を迎えており、またも国策が住民の分断と苦悩を地方に押し付けようとするものです(絶対に大都市圏には持ち込まれないでしょう)。
「トイレなきマンション」と反対派からこれまで指摘されてきたこれまでの無責任な原子力推進政策のツケがここへきて大きくクローズアップされてきましたが、実際にはどこも受け入れ先がないのが現状です。さらに処分技術も「確立」されたとする主張も、いまだそれを立証したものはありません。日本学術会議は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に対して日本には適地がないとして「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し」(2012年9月)を提言するなど、科学的にも未確立であることが示されています。推進側でさえ「人工バリアがいつまでもつかという話ですけども、‥将来のことは神様しかわかんないですよね、極端なこと言いますと。」(核燃料サイクル開発機構 梅木和彦(2004年NUMO技術部長)などと発言しています。
技術も確立もされていない高レベル放射性廃棄物の地層処分を 北海道の幌延で深地層研究が進められようとしています。1000年も10000年もの長期にわたる安全性をたった数十年の研究で明らかになるわけがありません。地層処分はまさに埋め捨てで、あとは後の世代にツケをまわすだけの「無責任」なものでしかありません。断じて許すわけにはいきません。
下記の文章は「北海道への核の持ち込みは許さない!11・23幌延デー北海道集会」の集会決議です。
2013年11月26日
「特定秘密保護法」が衆議院で強行採決された11月26日に、「さようなら原発一千万署名市民の会」呼び掛け人の大江健三郎さんや鎌田慧さん、落合恵子さんなどが、これまでに集まった837万余名の署名の一部を、衆・参院副議長や内閣に届けました。また、夜には千代田区「日比谷野外音楽堂」で集会が開かれ、提出の報告と1千万署名を達成して脱原発社会の実現をめざそうと確認しあいました。
一千万署名運動は、2011年3月11日の東京電力福島原発事故発生を受けて、同年6月から始まり、2012年6月には第一次集約分として751万人分を提出。さらに、その後も市民団体を中心に署名が続けられ、11月20日現在、8,378,701筆を集約しました。
26日の午後、参議院議員会館で院内集会を開いて運動経過報告や今後の取り組みなどを確認。その後、国会内で参議院の輿石東副議長、衆議院の赤松広隆副議長に署名を直接手渡し、大江さんや賛同人の佐高信さんなどが、「原発廃止に向けて政治のカジを切り、核エネルギー政策からの大転換を」と、強く訴えました。
しかし、安倍首相あての署名は、昨年は官房長官が直接受け取ったにも関わらず、今回は官邸での署名受け取りを拒否されました。安倍政権の原発推進の姿勢に、官邸前で厳しく抗議を行い、内閣府に署名を提出しました。
18時30分から日比谷野外音楽堂で開かれた集会には、1300人の市民や労働組合代表などが参加。女優の木内みどりさんの司会で進められ、最初に鎌田慧さん(ルポライター)が署名提出の報告を行い、「秘密保護法強行採決の日と重なり、安倍内閣の姿勢が鮮明になった。新しい社会を作るため、これからもがんばろう」と呼び掛けました。
福島からの訴えを、原発近くに住み、現在は会津に避難している千葉親子さん(脱原発福島県民会議)が行い、「今も15万人が避難し、不安な生活を強いられている。誰も責任を取ろうとしない。子どもを守れないで、秘密保護法で何を守ろうと言うのか」と、切々と訴えました。
リレートークでは、「25日に開かれた福島での秘密保護法の公聴会では全員が反対した。未来を生きるために原発と秘密保護法に反対していこう」(大江健三郎さん)、「原発事故の時に情報が隠蔽されて、福島の人は無用な被曝をさせられた。いのちと子どもの未来を守るために力を尽くそう」(落合恵子さん)、「福島の公聴会の翌日の強行採決は、福島の切り捨てだ。法案が決まっても認められない」(澤地久枝さん)、「食品偽装が騒がれているが、偽装政治がはびこっており、原発こそ最大の偽装商品だ」(評論家の佐高信さん)、「原発事故が過去のものになろうとしている。原発は安全だと騙され、いままた騙そうとしている。その責任を取って大人は声をあげよう」(人材育成コンサルタントの辛淑玉さん)と思いを語りました。
さらに、署名とともに寄せられた方々からのメッセージを、林洋子さん(女優・クラムボンの会)が朗読し、「原発を止めて、金が第一ではなく、人間が第一の世の中に変えよう」(福島の市民から)などと披露されました。
集会後、参加者は思い思いのプラカードや横断幕を手にデモ行進に出発。東京電力本店前では抗議の声をあげ、銀座周辺では「原発に秘密はいらない!」などとシュプレヒコールを繰り返しました。
2013年11月26日
とどけよう!脱原発の声を さようなら原発1000万人署名提出行動(PDF)
11.26(火)
14:30~15:30 院内集会(参議院議員会館B109)※14:00から通行証を配布します。
18:30~ 集会(日比谷野外音楽堂)※18:00開場
司会:木内みどりさん(女優)
署名提出の報告:鎌田慧さん(ルポライター・呼びかけ人)
福島からの訴え:千葉親子さん(脱原発福島県民会議)
リレートーク:内橋克人さん(経済評論家)
大江健三郎さん(作家・呼びかけ人)
落合恵子さん(作家・呼びかけ人)
澤地久枝さん(作家・呼びかけ人)
佐高信さん(評論家・賛同人)
辛淑玉さん(人材育成コンサルタント・賛同人)
署名をされたからのメッセージ:林洋子さん(女優・クラムボンの会主宰)
19:30~ デモ出発 日比谷野音~東電前~銀座~数寄屋橋~鍛冶橋駐車場(流れ解散)
2011年6月から始まった「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名」(さようなら原発1000万人署名)は、12年6月15日に最初の提出行動が行われ、7,514,066筆を提出しました。その後も署名は続けられ、今回11月26日に署名の提出が決定しました。
10月26日前後には、各地で一斉署名行動が取り組まれました。それに引き続き、11月17日は東京・有楽町で署名活動を行います。署名提出に向けて、もう一押しがんばっていきましょう。
●さようなら原発署名行動
日時:11月17日(日)13:00~14:30
場所:有楽町・交通会館前広場
※よびかけ人のリレートークの他、ランキン・タクシ-、橋本美香、制服向上委員会等のみなさんによるミニイベントあり。
イベントと同時並行で署名活動を行います。
2013年11月23日
集会決議文
2011年3月11日に起きた原発史上最悪の「東京電力福島第一原発事故」から2年8か月が経過しましたが、事故はいまだに収束の見通しも立たず、今も広大な海・空・大地を大量の放射線で汚染し続けています。また、貯蔵タンクから漏れ出た放射能汚染水は間違いなく海洋へと流出しており、安倍首相の言う「コントロール」されている状況にはありません。こうした中、政府は、「2030年代原発ゼロ」を反故にし、原発の「再稼働」や新増設、海外輸出へと突きすすんでいます。
原子力規制委員会では現在、泊原発3号機の「再稼働」に向けた「安全審査」を行っています。審査では、1、2号機の過酷事故対策で3号機の解析結果を流用していることが明らかになり、規制委員長からは「替え玉受験」と非難されました。また、北電が「存在しない」と主張している「原発敷地内の活断層」や「日本海側の複数の断層が連動して地震が起きた場合の地震や津波の規模」などの評価が不十分として、再検討を求めています。
青森県六ヶ所村再処理工場は、高レベル放射性廃棄物ガラス固化施設でのトラブルによって完工が20回目の延期となりました。また、高速増殖炉「もんじゅ」も、活断層や耐震性の問題が浮上し、「再稼働」や「実用化」の展望もない状況にあるなど、「核燃料サイクル路線」は事実上破綻している状況にあります。
幌延深地層研究計画をめぐっては、道は「放射性廃棄物の持ち込みは受け入れ難い」との条例を制定し、道および幌延町、原子力機構(旧核燃機構)は「研究のみ」として「放射性廃棄物や放射性物質を持ち込まないし使用しない」「研究終了後は埋め戻す」との協定を締結しています。
しかし、国は今後、最終処分地の候補地選びの第1段階である「文献調査」を申し入れようとしており、北海道は「協定」があっても例外ではないとしています。また、文部科学省が幌延深地層研究センターと瑞浪超深地層研究所のどちらかの施設を廃止する方針を来年9月に策定する次期計画に盛り込むことや、幌延において来年度から廃棄物に模した熱源を地下坑道に埋設するという実際の処分に近い研究が始まること、地元幌延町において交付金目当ての最終処分場誘致の動きが報道されたことなどから、幌延がなし崩し的に処分地とされることが危惧されます。10万年間も監視が必要な、核廃棄物の存在を後の世代に知らせることのできない地層処分は即刻、見直すべきです。
このように、今後、深地層研究計画を変質させ、幌延周辺や道北地域、そして道内がなし崩し的に最終処分場にされる危険性があり、これまで以上に監視体制を強めていく必要があります。
11.23幌延デー北海道集会に参加された皆さん!人類と核の共存はできません!
私たちは、脱原発集会をめざし、泊原発の再稼働や3号機の「プルサーマル計画」に反対し、大間原発を含む新規原発の建設中止、六ヶ所再処理工場の閉鎖、すべての原発の廃炉、北海道への「核のゴミ」の持ち込みや「核のゴミ」の地層処分に反対し、見直しを求める運動を、全国の仲間と固く連帯し発展させましょう。
2013年11月23日
北海道への核持ち込みは許さない!11.23幌延デー北海道集会
2013年11月15日
がんや心筋梗塞など被爆者の病気を原爆症と認定する基準の見直しに向けた厚生労働省の有識者検討会が十四日開かれ、最終報告書の原案が示された。国の審査が厳しすぎるとの司法判断が続いたため設置された検討会だが、報告書案は「判決を一般化した基準の設定は困難」として現行制度は変えず、判断基準をより明確に示すことを求める内容にとどまった。(11月15日・東京新聞より)
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