2016年3月
2016年03月30日
戦後・被爆70年過ぎたいまでも、世界の各地でテロや紛争が繰り返され、人権が蹂躙され、多くの市民が傷つき、亡くなっています。「平和と安定」に向けたさなる努力が私たちに強く求められています。核兵器廃絶への期待も、昨年、国連で核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれましたが、共同宣言も出せずに終わってしまいました。今年1月には朝鮮民主主義人民共和国の4回目の核実験も行われ、核軍縮が大きく停滞する状況にあります。
一方、わが国では、安倍政権の立憲主義・民主主義を破壊する暴走が続いています。安全保障関連法の制定、辺野古新基地建設の強行、歴史認識の修正を狙う「安倍談話」の公表、原発再稼働核燃料サイクルの推進など、民意や歴史を無視した横暴な強権政治を進めています。さらに憲法改悪に向けた動きを加速させています。まさにいま戦後の平和と民主主義の最大の危機にあります。
「あらゆる国のあらゆる核実験に反対」「反核・平和」「脱原発」など核と平和の問題を訴え続けてきた原水禁運動の「核廃絶」や「平和と民主主義」の内実そのものが厳しく問われています。私たちの奮闘がまさに求められています。
また今年は、福島原発事故から5年、チェルノブイリ原発事故から30年の節目の年にもあたります。 核の「商業利用」がもたらした問題を明らかにし、事故の風化に抗し、被災者への連帯が求められています。核の軍事利用や商業利用を問わず、「核社会」そのものを問う視点と運動が必要です。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者の課題の解決も急がれています。高齢化する被爆者に残された時間は少なく、「国家補償」や「原爆症認定」、「被爆体験者」、「在外被爆者」、「被爆二世・三世」など残された課題の解決を図らなければなりません。
このような中で、平和と民主主義を守り、核兵器廃絶、脱原発、ヒバクシャへの援護・連帯に向け、「いのちと人権」が尊重される世界を目指し、被爆71周年原水爆禁止世界大会に多くの皆さんの参加と賛同をお願いします。原水禁世界大会に結集し、安倍政権の強権政治の流れに抗し、「核と戦争もない21世紀」を共につくり上げましょう。
2016年3月30日
被爆71周年原水爆禁止世界大会実行委員会
実行委員長 川野 浩一
2016年03月27日
福島原発事故から5年が経過し、チェルノブイリ事故から30年を迎える中、安倍政権は原発推進政策を打ちだし、各地で原発再稼働を強行しようとしています。これに対し、「つながろう福島!守ろういのち!」をスローガンに、3月26日に東京・代々木公園で「原発のない未来へ!3.26全国大集会」が開かれ、3万5000人が集まり、憲法や沖縄基地問題などでも民意を無視し暴走する安倍政権にNO!を突き付けました。
午後1時から開催された集会は、女優の木内みどりさんが司会を務め、主催4団体を代表し、Misao Redwolfさん(首都圏反原発連合)があいさつを行った後、ルポライターの鎌田慧さんと作家の澤地久枝さん(ともに「さようなら原発1000万署名」呼びかけ人)が、原発と戦争を進めようとする安倍政権との対決を呼びかけました。
福島現地から「福島原発告訴団」副団長の佐藤和良さんが「放射能汚染の不安を抱える被災者を政府は強制的に帰還させ、賠償を打ち切ろうとしている。ともに立ち上がってほしい」と訴えました。また、チェルノブイリ原発事故について、ベラルーシから来日したジャンナ・フィロメンコさんが「事故当時、政府は危険を知らせず、被災を拡大した。被災者の権利を守る運動を進めてきた。この危険はすべての原発で起こるものだ」と、連帯を呼びかけました。
愛媛県の伊方原発の再稼働が迫る中、原水禁愛媛県協議会の中村嘉孝事務局長が「いま県民の3分の2が再稼働に反対している。かつてなかったことだ。脱原発に向け、4月23日に大集会を開く」と力強く発言。さらに、元東海村村長で脱原発首長会議世話人の村上達也さんも「茨城の東海原発を動かしてはならない。首都圏で原発を止めることが大切だ」と強調しました。
さらに、福井のもんじゅについて、原発反対福井県民会議の宮下正一さんが「先日、大津地裁で稼働差し止め判決が出され、高浜原発は停止した。もんじゅは爆発したら日本の半分に人が住めなくなるほど危険だ。何としても廃炉へ」と声をあげました。一方、4月からの電力自由化について、国際環境NGO[FoE Japan]の吉田明子さんが「東京電力など原発を進めるこれまでの電力会社の電気はやめ、再生可能エネルギーを選ぶ人を多くしよう」と呼びかけました。
今回の集会に協力した「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」から、福山真劫さん(平和フォーラム共同代表)が立ち、「安倍政権は原発再稼働とともに、戦争法、沖縄の基地建設を進めている。断じて許せない。5月3日に大集会を開き、さらに6月に国会包囲などの運動を積み重ね、参院選に勝利しよう」と訴えました。
沖縄・辺野古新基地建設について、高里鈴代さん(「基地・軍隊を許さない女たちの会」共同代表)が「裁判所の和解勧告で工事は一時的に止まっているが、政府はまだ方針を変えておらず、現地は緊張の中、座り込みを続けている。もう沈黙はしない」と決意を表明。さらに、運動の中心を担う沖縄平和運動センターの山城博治議長も駆けつけ、「ファシズムに対抗するために団結をしよう」と呼びかけ、自ら作詞した「いまこそ立ち上がれ」を熱唱すると、壇上の発言者全員がスクラムを組み唱和しました。
ステージの最後に、3月12日の福島県民集会が開かれた郡山市を起点に、2週間にわたり関東一円でフクシマ連帯キャラバンを続けてきた10数人が登壇し、盛んな声援を受けました。会場に集まった参加者は最後に「つながろう福島!」「原発のない未来へ!」と書かれたプラカードを一斉に掲げてアピールしました(写真上)。
メインステージに先立ち、第2ステージでは「つながろう福島」をテーマに、福島原発作業労働者や畜産農家、福島原発訴訟団や避難者の会などの代表が、それぞれの実態などを報告しました。
第3ステージは「基地も戦争もいらない」をテーマに、憲法・戦争法、沖縄基地問題についての訴えのほか、インドやトルコから来日した反核、反原発運動を進める団体からも報告が行われました。
集会後、渋谷駅周辺、原宿・青山方面、新宿方面の3コースに分かれてデモ行進が行われ、参加者は工夫を凝らしたプラカードや横断幕などを手に、「原発再稼働反対!」「安倍政権を許さない!」などとシュプレヒコールをあげてアピールしました(写真下)。
ビデオ報告はこちら
2016年03月26日
3月26日に東京・代々木公園で開かれた「原発のない未来へ!3.26全国大集会」とデモ行進の模様をダイジェストにまとめました(12分)
2016年03月12日
福島原発事故から5年が経過した2016年3月12日、福島県郡山市の開成山陸上競技場で「2016原発のない福島を!県民大集会」が開かれ、全国から6000人の参加者が集まりました。同日、午前中にはシンポジウム「原発災害から5年 福島の歩み、そして未来」も行われ、「記憶の風化」が進んでいるといわれる福島原発事故が、今なお福島県内で暮らす人々にとって日々の現実であることが議論されました。
「様々な理由で福島に戻れない人たちがいる、その原因が原発事故である」という開会のあいさつから始まった県民大集会では、集会前日に、福井県の高浜原発再稼働に対し大津地裁が「再稼働差し止め」の判決を出したこともあり、福島第二原発の廃炉を求めるとともに、鹿児島県の川内原発も即時停止を求めるように強く訴えていこうとの声を上げる発言に、会場の参加者も気持ちを新たにしました(上写真はプラカードを掲げてアピールする集会参加者)。
特別ゲストの鎌田慧さん(さようなら原発1000万署名呼びかけ人)は、足尾銅山鉱毒農民を例に挙げ、集会後に郡山を起点に3月26日の「原発のない未来へ!全国大集会」へ合流するキャラバン行動にエールを送りました。「謝れ、償え、補償せよ」を掲げて行動するハイロアクション福島の武藤類子さん。被害回復、二度と被害を起さないために活動する津島被害者原告団(浪江町)の今野秀則さん。大熊町で生まれ育ち避難生活について語った愛場学さん。福島に住んでいるからこそ伝えられることがあるという高校生平和大使の鈴木愛望さん。「高浜原発に続いて再稼働を止めよう」とストップ川内原発!鹿児島県実行委員会の向原祥隆さんらが、原発事故から6年目の福島の地で、脱原発への思いを訴えました。
集会後は、市内をデモ行進し、プラカードや横断幕を手に参加者がシュプレヒコールをあげました(下写真)。
2016年03月10日
原発のない未来を求めて、「さようなら原発1000万人アクション」では、3月12日の福島県民集会(郡山市・開成山競技場)を起点に関東各県でフクシマへの連帯を訴えながら、3月26日に東京で開かれる「原発のない未来へ!全国大集会」の合流するキャラバン行動を行います。
■スケジュール
3月12日 14:40~15:00 出発式
陸上競技場~郡山市内(デモ)
3月13日 午前 郡山~被災地~いわき市
14:00~17:00 いわき市内・被災者と意見交換
終了後 懇親会
3月14日 午前 被災地視察
午後 出張所(双葉町、大熊町など) 行政との交渉
3月15日
Aコース ※集合:JR高萩駅西口に9:40集合し、市役所仮庁舎へ移動 高萩市役所
10:00-10:30、日立市役所11:10-11:30(日立市職表敬訪問及び昼食休憩
11:30~12:10)→常陸太田市役所13:15-13:45→ひたちなか市役所14:40-15:00→大洗町役場
15:30-16:00→水戸市内・自治労茨城県本部16:40→水戸駅頭宣伝17:10-18:00→集会へ参加
Bコース ※集合:那珂市役所駐車場10:10 那珂市役所10:30-11:00→常陸大宮市役所
11:40-12:00→(12:40大子町役場で昼食)→大子町役場13:20-13:40→城里町役場
15:20-15:50→水戸市役所16:20-16:40→自治労茨城県本部16:50 水戸駅頭宣伝
17:10-18:00→集会へ参加
Cコース ※集合:笠間市役所駐車場10:00笠間市役所10:30-11:00→小美玉市役所
11:40-12:00→(12:30茨城空港で食事)→鉾田市役所13:30-13:50→茨城町役場
14:30-14:50→県庁要請15:30-16:00→自治労茨城県本部16:30→水戸駅頭宣伝
17:10-18:00→集会へ移動
3月16日 10:00~14:00 東海村役場⇒原子力施設フィールドワーク
(終了後栃木へ)
16:00 佐野市郷土博物館(合流・見学)
3月17日 9:00~14:00 田中正造関連フィールドワーク
渡良瀬遊水地などゆかりの地見学
17:00 宇都宮
18:00 栃木県総合文化センターサブホール(宇都宮市本町1-8)開場
18:15 開会
19:00 終了⇒デモ行進会場移動
19:15~20:00 市内デモ
「原発のない未来へ!フクシマキャラバン栃木県集会&パレード」
主催 さようなら原発栃木アクション
3月18日 10:00 太田地区労(引き継ぎ)
13:00 前橋、自治労、日教組
14:30~ 高崎 群馬の森
16:00~ 高崎、国労高崎、解放同盟
18:00~20:00 前橋 フクシマ連帯集会(群馬県教育会館)
3月19日 12:00~13:00 熊谷
13:00~14:30 東松山、丸木美術館
17:00~18:00 川越
3月20日 10:00~11:00 第五福龍丸展示館
12:00~13:00 清水谷公園
14:30~15:30 渋谷署名活動
15:30~16:00 宮下公園集会
16:00~16:40 渋谷デモ
3月21日 12:30~13:30 桜木町駅前
15:00~16:30 つながろうフクシマ!さようなら原発 神奈川集会
3月22日 午前 鎌倉~藤沢~逗子(各駅前)
9:30 横須賀市長
11:00 三浦市長
13:30 神奈川県
3月23日 12:45 JR松戸駅東口
13:00~14:30 街宣
14:15~16:30 被災者支援千葉西部ネットと交流
18:00~19:00 新浦安駅
3月24日 9:30~10:00 千葉市要請行動
12:00~13:00 館山・昼食
13:20~15:00 館山・赤山地下壕跡見学
17:30~18:00 夕食
18:30~20:00フクシマ連帯集会/千葉市文化センター9階第3・4会議室
3月25日 12:15~13:00 経団連
13:45~14:15 東電
14:45~15:15 環境省
19:00~ 集約集会 横浜波止場会館
3月26日 11:00 集会
11:45 デモ準備
12:00 デモ出発
13:00 代々木公園でステージに登壇
フクシマ連帯宣伝用チラシ
2016年03月01日
1954年3月1日にアメリカがビキニ環礁で行った水爆実験によって、日本の第5福竜丸など多くの漁船が被曝をしたビキニ事件が起きてから62周年を迎え、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)や東海ブロック原水禁連絡会議などの主催による「3.1ビキニ・デー集会」が静岡で開催され、200人以上が参加しました。
まず、第5福竜丸の無線長で、被曝から半年後に亡くなった久保山愛吉さんの墓前祭が焼津市の弘徳院で開かれ、参加者が久保山さんのお墓に焼香を行った(上写真右)後、寺の中で、講談師の田辺一乃さんによる講談が行われました。ビキニ事件のあらましや、その後の経過を追った「第5福竜丸物語」と、水爆実験をヒントに作られた映画のゴジラにちなんだ「ゴジラ誕生秘話」の2作が迫力をもって語られました。
夕方からは静岡市内で集会が開かれ、主催者の川野浩一・原水禁議長が「ビキニも広島・長崎の原爆も、福島原発事故も政府によって風化させられようとしている。そして、安倍政権によって、再び戦争の出来る国にしようとしている。集会を機に改めて憲法改悪阻止、戦争法の廃止にたちあがろう」と呼びかけました。また、渡邊敏明・静岡県平和・国民運動センター会長も地元歓迎あいさつを行いました(上写真左)。
講演は、元広島市長として長年、核廃絶を訴えてきた秋葉忠利さん(ヒロシマ・ピース・オフィス代表)が「ヒバクシャと共に『核にない日』を迎えよう」と題し、広島市・長崎市が中心となる国際的な「平和市長会議」が目標とする2020年までの核廃絶を現実のものとしようと訴えました。そのために具体的な発想として「国家的思考から都市的思考へ、被害者同士の横のパートナーシップ、人間中心の脱イデオロギー、世界規模の民主主義」の確立が必要と、秋葉さんは提起をしました(写真左)。
「福島原発事故から5年─現地からの報告」では、福島原発告訴団団長の武藤類子さんが立ち、いまだに10万人もが避難生活を余儀なくされ、除染によって110万個のフレコンバッグが散在する中で、政府や自治体が住民の帰還を強要しようとしている現状を、写真をもとに報告しました。そして、原発事故の責任を問う原発告訴団や「原発事故被害者団体連絡会」の活動を紹介し、連携を呼び掛けました(写真中)。
また、静岡県選出の高校生平和大使などの女子高校生が核廃絶を訴え(写真左)、さらに、「戦争をさせない1000人委員会・静岡」からも戦争法廃止を求める2000万署名の呼びかけがありました。最後に「平和と民主主義を守り、核兵器廃絶、脱原発、ヒバクシャの援護・連帯に向けて運動を強化しよう」と集会アピールを採択し、集会を終了しました。
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