2016年12月

核燃サイクルに終止符を!! 「さようなら『もんじゅ』 さようなら核燃サイクル 東京集会」

2016年12月08日


 12月8日(木)、東京・日比谷野外大音楽堂で「さようなら『もんじゅ』 さようなら核燃サイクル 東京集会」が開催され、およそ900人が参加しました。

 

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 集会の冒頭で、「さようなら原発1000万人アクション」呼びかけ人の鎌田慧さんは、「日本の原発政策はもはや破綻だらけ。今日の集会では全ての核燃料サイクルはお終いだと宣言し、来年以降の再稼働を止めていく運動を強化していこう」と呼びかけました。


 続いて壇上に上がった宮下正一さん(「原子力発電に反対する福井県民会議」事務局長)は「『もんじゅ』の廃炉が正式に決まれば、それは日本中の仲間のおかげだ。確かに廃炉が決定してもすぐになくなるわけではない。それでも私たちは必ず勝つ、なぜなら勝つまで諦めないからだ」と力強く発言。また弁護士の海渡雄一さんは「『もんじゅ』が失敗したにもかかわらず、政府は次の高速炉計画を進めようとしている。われわれはなめられている。みんなでもっと怒り、核燃サイクルを根本から見直させよう」と訴えました。そのほかにも、福武公子さん(弁護士)、浅石紘爾さん(核燃料サイクル阻止1万人訴訟原告団長)が核燃サイクルに固執する国の姿勢を痛烈に批判しました。
 また福島からの避難者を代表して熊本美弥子さんが発言。来年3月に打ち切られようとしている住宅提供問題について報告され、全国からの支援を訴えました。
 

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 集会後、参加者は経産省・文科省前を経由しながら銀座の街をパレードし、『もんじゅ』の廃炉と再稼働反対を訴えました(写真:今井明)。

 

 

 

 

「高速炉開発計画の方針」の撤回を求める声明

2016年12月01日

「高速炉開発計画の方針」の撤回を求める声明

原水爆禁止日本国民会議

議長 川野浩一

   11月30日、日本政府は、第3回高速炉開発会議において、「エネルギー基本計画に基づいて、核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持する」とした「高速炉開発計画の方針」の骨子(案)を発表した。高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉決定にともなっての今回の核燃料サイクル計画の継続には、強い失望を禁じ得ない。

   原水禁は、原子力資料情報室・原子力発電に反対する福井県民会議と協力し、今年5月9日に、「もんじゅ」は廃炉しかないことを基本とする提言書を発表し、関係所管に送付した。その中で、「もんじゅ」の廃炉のみならず、民主主義国家であれば高速炉開発がそもそも無理であることを、原水禁は主張してきた。今回の開発計画の方針では、原水禁の主張に何も答えてはいない。以下の点から原水禁は、今回発表された「高速炉開発計画の方針」の撤回を強く求める。

  1. 会議が密室で行われていること。加えて会議のメンバーが経済産業大臣、文部科学大臣、原子力開発研究機構理事長、電気事業連合会長、三菱重工業社長など「もんじゅ」に関係した者ばかりで構成され、公正な判断が行われているとは言いがたいこと。
  2. 国費を1兆円以上も投じた高速増殖原型炉「もんじゅ」は、出力100%の運転を実施したことがなく、1995年の事故以来止まったまま何らかの研究成果を上げたとは言いがたいにもかかわらず、その反省と検証は見えてこない。
  3. フランスの実証炉「アストリッド」の共同研究によってデートの収集は可能と判断しているが、「アストリッド」の計画は、建設の是非も含めて現状では何ら明確にはなっていない。
  4. 原型炉でさえ運転不能で失敗した中で、より安全で経済効率の高い実証炉に至る技術的可能性をどのように見いだすのか、説得力のある説明は皆無に等しい。
  5. これまでの原型炉開発への投資額から考えると、「アストリッド」共同研究も含め巨額の費用が想定されるが、そのことの是非について検討した形跡もない。
  6. 米国のカントリーマン国務次官補は、2016年3月17日の米上院外交委員会公聴会において「使用済み核燃料の再処理には経済的正当性がなく、米国は支援も奨励もしない」と述べている。経済性も欠き将来の展望も見えてこない核燃料サイクル計画へのこれ以上の国費投入には全く正当性はない。

   2011年3月11日の福島第一原発事故以降、日本社会は「脱原発」を求めてきた。四つのプレートがひしめき合う地震の巣ともいえる日本列島にあって、再度の原発過酷事故があってはならない。そのことを担保する唯一確実な方策は、原発政策からの脱却である。今回の方針は、日本の市民社会の願いを頭から否定するものである。また、プルトニウム利用政策の継続は、核兵器廃絶を主張する被爆国日本への核兵器保有疑惑をも生み出しかねない。「核と人類は共存できない」として核兵器廃絶と脱原発を求め続けてきた原水禁は、日本政府の姿勢に対して抗議の声を上げるとともに、市民社会と連帯して、「脱原発社会」へのとりくみを確固たる信念を持ってすすめていく。

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