2017年分科会報告原水禁大会

広島大会 第5分科会「ヒバクシャ1─世界の核被害者の現状と連帯を考える」

2017年08月05日

広島大会 第5分科会「ヒバクシャ1─世界の核被害者の現状と連帯を考える」
 
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講師:豊﨑博光(フォトジャーナリスト)
   振津かつみ(医師)
参加者 60人
 
 2本の講演を受けて意見交換することで進められた。1つ目の講演として、『世界の各被害者2017-被害者の現状と未来』として、豊崎博光さんより提起を受けた。冒頭、豊崎さんは、「核兵器禁止条約は24項目からなり、核使用により被害を受けたヒバクシャを軸とした被害者側に寄り添った条例である」といったことに触れ、核実験による被害の状況や、原爆被害の問題について講演された。
 核実験による被害は、甚大なものがあるが、補償がされていない現状である。また、核実験による人権侵害として、地元を避難することや自給自足の生活を余儀なくされてしまうこと、生活サイクルの乱れなどに現れ、こうした人たちが多く存在している現状である。また、原発稼働により、世界的にも多くの被害者を出していることを指摘。
 原爆被害者の状況としても、地域に限定されており、全体が補償の対象になっていない現状がある。また、この補償は保証でなく「援護法」であり、政府の財源がなくなれば打ち切りとなるものであることも強調された。この他に、原発労働者の課題等に触れられた。
 
 2本目は、『世界の核被害者の人権と保障を求める運動との連帯』として、振津かつみさんからの講演を受けた。
 核開発と利用は、被害者なしに成り立たないとし、核は軍事平和利用を問わず、ウラン採掘から核廃棄物に至るまで、あらゆる過程で核被害者を生み出している。フクシマやチェルノブイリの原発事故やウラン開発など、汚染により居住地が剥奪され、生活が奪われる。また、健康障害も長期に及び、二世や三世にも影響を及ぼす。そんな中、被害者の権利と保障問題については確立されていないと語られた。
 
 その後、参加者からの質問や意見を聞き、3人の方が発言された。最後にまとめとして、被爆者は、原爆被害だけでなく原発や開発にあたる多くの人にも多大な影響を与える。しかし、現状は不十分な補償しかない。核兵器禁止条約が提案され、今後いかに実行するかが課題である。ぜひ日本政府による条約批准を促し、核保有国が批准する運動を進める必要がある。
 また、被害者援護の運動と連帯し、補償問題を解決できるよう取り組みを強化せねばならない。安倍政権の戦争への道、原発再稼働に対抗し、平和と民主主義、基本的人権の尊重、憲法を守る取り組みを進めるため、各地域・職場で取り組みを進めていただきたい。とし、分科会を終えた。

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