2017年11月

11.23 幌延デー北海道集会に1000人参加

2017年11月23日

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  11月23日に北海道の幌延町で、北海道平和運動フォーラムが主催し「北海道への核持ち込みは許さない!-11.23幌延デー北海道集会」が開かれました。今年で32回目を迎えるこの集会には北海道をはじめとして全国各地から1000人が集まりました。
 幌延は北海道の中でも北部にある町です。最北端の宗谷岬まで約54キロしか離れていません。幌延には核燃料のゴミを処理する方法を研究している深地層研究センターがあります。核のゴミとは原発で使われた後に生ずる高レベル放射性廃棄物です。この高レベル放射性廃棄物を処分する方法がいくつかあって、その方法のなかの一つが地下に埋める方法です。この研究は2000年に始まり2020年に終わるということで、研究が終わったら掘った土地は埋め戻すことになっています。本物の核のゴミが北海道に持ち込まれるわけではありません。
 しかしながら、5月には同機構の理事が「埋め戻すのはもったいない」と発言をし、7月には「科学的特性マップ」が公表されました。「科学的特性マップ」が指定している「最適地」に、北海道は幌延町を含め86市町村が該当しています。また、11月には埼玉会場で原子力発電環境整備機構が開催している「科学的特性マップに関する意見交換会」に学生が動員されたということが明確になり、北海道に本当の核のゴミを搬入しようとしているのではないかという道民の心配は高まる一方です。
 このような情勢の中で、集会では主催者を代表し、長田秀樹・北海道平和運動フォーラム代表が「深地層研究計画を変質させ、幌延周辺や道北地域、そして道内を、なし崩し的に最終処分場にさせないために、これまで以上に監視体制を強めるとともに、『最適地』をはじめ『適地』に該当するすべての自治体において、『処分場拒否』の議会決議採択の運動を展開しよう」と訴えました。
 平和フォーラムの北村智之副事務局長も「地震大国で地下水が多い日本で、安全に地層処分ができる地域などはない。全国のどの地域も高レベル放射性廃棄物の『最終処分場』にしないため、協力しあい、取り組みを強化しよう」と連帯挨拶を行いました。
 民進党北海道の三井あき子北海道議会議員、社民党北海道連合の豊巻絹子副代表、旭川大学の山内亮二学長などが挨拶をしました。また、生活クラブ生活協同組合の山崎栄子理事長、帯広平和運動フォーラムの松坂英嗣議長、道北核廃棄物処分場反対道北連絡協議会の藤田孝一代表、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会の鷲見悟代表委員が決意を表明しました。
 集会の後、参加者は幌延の町をデモ行進をしながら、核の持ち込みに反対する声を上げました(下写真)。(報告=鄭恩珠(チョン・ウンジュ)平和フォーラム交換留学生)

集会決議はこちら

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11.23幌延デー北海道集会 決議

2017年11月23日

  2011年3月11日に起きた東京電力福島第一原発事故から6年8か月が経過した。しかし、事故はいまだに収束の見通しも立たず、今もなお5万人以上の県民が避難生活を余儀なくされている。しかし、政府は、川内・伊方・高浜原発に続き、年明けにも玄海・大飯原発を「再稼働」させようとしている。また、原子力規制委員会は、未だに原因究明・収束作業がすすまない東京電力の「適格性」を問うことなく、柏崎刈羽原発の「適合性審査」に合格を出した。さらに、美浜・高浜原発では「原則40年」で廃炉にするルールを骨抜きにし運転延長しようとしており、断じて許されるものではない。
 泊原発3号機の「再稼働」をめぐっては、積丹半島西岸の隆起要因について、地震性も一貫して否定してきた北電は、規制案の指摘を受け「積丹半島西岸近くに活断層が存在する」ことを前提とした検討に着手している。また、敷地内の活断層の存在も指摘されている。泊原発が2012年5月5日に全面停止してから5年半が経過したが、泊原発なしでも電力が賄えることは事実として明らかである。道民世論は「再稼働を認めるべきではない」が59%に上っており、北電の「再稼働ありき」の姿勢を転換させなければならない。
 高速増殖炉「もんじゅ」は、ナトリウム漏洩・火災事故や機器の点検漏れなどのトラブルや、ずさんな管理が相次ぎ、昨年12月に「廃炉」が決定した。また、青森県六ヶ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場は、度重なる完工延期に加え、14年にわたる点検日誌への虚偽記載が判明し、規制案は本格運転の前提となる審査を当面延期した。このように、すでに「核燃料サイクル」政策は破綻しており、フルMOXの大間原発の建設も中止すべきである。
 幌延深地層研究計画をめぐっては、道は「放射性廃棄物の持ち込みは受け入れ難い」との条例を制定し、道および幌延町、原子力機構(旧核燃機構)は「研究のみ」として「放射性廃棄物や放射性物質を持ち込まないし使用しない」「研究終了後は埋め戻し、最終処分場にしない」との「協定」を締結している。しかし、日本原子力研究開発機構は、「20年程度」とした研究機関について、未だに「埋め戻し」を含む終了時期を明言していない。またこの間、NUMOの理事長などが「候補地選定では道内も対象となる」などと、「三者協定」を反故にするかのような発言をするなど、なし崩し的に研究期間が延長され、最終処分場とされることが危惧される。核廃棄物の存在は、極めて大きな負の遺産でおり、後の世代に残してはならず、「地層処分」は即刻、見直すべきである。
 また、政府は7月28日、高レベル放射性廃棄物の最終処分に適した地域を示した「科学的特性マップ」を公表した。火山や活断層が周囲になく海岸から近い、処分場の候補地となり得る「最適地(輸送面でも好ましい地域)」は、北海道内では幌延町を含む86市町村が該当するとした。私たちは、深地層研究計画を変質させ、幌延周辺や道北地域、そして道内を、なし崩し的に最終処分場にさせないために、これまで以上に監視体制を強めるとともに、「最適地」をはじめ「適地」に該当するすべての自治体において、「処分場拒否」の議会決議採択の運動を展開する。
 32回目を迎えた「11.23幌延デー北海道集会」に参加された皆さん!
 人類と核の共存はできません!
 私たちは、脱原発社会の実現をめざし、泊原発をはじめ全国の原発の「再稼働」を許さず、すべての原発の廃炉、大間原発の建設中止、六ヶ所再処理工場の閉鎖、北海道への「核のゴミ」の持ち込みや「科学的特性マップ」の撤回、「核のゴミ」の地層処分に反対し、見直しを求める運動を、全国の仲間と固く連帯し発展させていくため、あきらめず粘り強く闘っていく。
 以上、決議する。

2017年11月23日

北海道への核持ち込みは許さない!11.23幌延デー北海道集会

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