2019年、分科会報告、原水禁大会
長崎大会 第3分科会 脱原子力Ⅰ─自然エネルギーの今とこれから
2019年08月08日
被爆74周年原水爆禁止世界大会 長崎大会
第3分科会 脱原子力Ⅰ─自然エネルギーの今とこれから
日時:8月8日(木)9:30~12:30
会場:長崎新聞文化ホール 3F 珊瑚の間 (長崎市茂里町3-1/℡095-844-2412)
講師:松久保肇(原子力資料情報室事務局長)、山崎誠(衆議院議員)
海外ゲスト:クラウス・ミンドラップ(ドイツ・社会民主党)
◆初参加者は7割程度
原子力資料情報室の松久保さんからは、廃炉の時代を迎えた原発の現状とエネルギー政策の転換の重要性が示された。現時点では、原発の新増設は想定されておらず、遅くとも2085年までに原発はゼロとなる。原発は高コストな発電方法であり、さらに安全対策費が増加している現在、そのコストはさらに高額となっている。しかも、膨大なプルトニウムを生み出す使用済燃料再処理計画は各国からの懸念の材料となっている。原発を前提とした日本のエネルギー供給計画の破綻は明確であり、原発をゼロにし、原発と化石燃料への補助が8割を占めるエネルギー関連予算を、再エネと省エネを促す予算に組み替える転換戦略が必要だと述べられた。
衆議院議員の山崎さんからは、「原発ゼロ基本法」をめぐる日本の政治情勢についてお話があった。世界で進む再生可能エネルギーの現状を多数紹介しながら、世界が加速度的に再生可能エネルギーにシフトしている状況を述べられた。一方、衰退する原発に依存している日本は、世界の流れから完全に取り残されている。原発ゼロこそ、日本経済・日本社会の再生の道であるとし、「原発ゼロ・エネルギー転換は未来の希望である」と力強く訴えられた。
ドイツ社会民主党のクラウス・ミンドラップさんからは、ドイツにおける脱原発事情についてお話があった。2022年には最後の原発が止まり、その後は在来型エネルギーから再生可能エネルギーに転換されていくという世界的にも先進的な事例が紹介された。
また、参加者からは「廃炉に関する具体的な費用や期間は」、「再生可能エネルギーの比率や日本での再生可能エネルギーの可能性は」、といった質問が出された。
最後に運営委員から、「私たちが動かないと脱原発は前に進まない。今回学んだことを地域に持ち帰って、具体的な運動につなげよう」とまとめがあった。