2019年9月

9/29 JCO臨界事故20周年集会

2019年09月29日

2019年9月29日 JCO臨界事故20周年集会

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  1999年9月30日に核燃料加工工場JCO(茨城県東海村)で起きた臨界事故から20年が経ちました。大量の中性子を浴びた3人の労働者のうち2人が亡くなり、600人を超す労働者や周辺住民などが被曝した当時国内最大の原子力事故でした。原子力推進側は、原子力に絶対「安全」など存在しないという教訓を学ばず、「安全神話」になお固執し続けたことが、結果として福島原発事故にもつながっていったと思います。
私たちはJCO臨界事故を「忘れない!」として毎年集会を開催し、今年は9月29日、東海村で「JCO臨界事故20周年集会―JCO臨界事故を忘れない! とめよう、東海第二原発の再稼働!」を、原水禁や地元の茨城平和擁護県民会議など6団体の主催で開催しました。全国各地から300人が集まりました。
 
 集会は、原子力資料情報室共同代表の西尾漠さんと地元の臨界事故を語り継ぐ会の大泉実成さんのあいさつで始まりました。主催者を代表して、原水禁の藤本泰成事務局長からは、安倍政権のエネルギー政策の破綻を指摘しながら、安倍政権の向こうに新しい社会を構想して運動をさらに強めていこう、と訴えがありました。
 
 医師でチェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西の振津かつみさんによる「JCO臨界事故とフクシマ」と題する講演がなされました。その中で振津さんは「JCO臨界事故は、労働者のみならず、一般市民を含む多くの人々が、公衆の被ばく限度、年1mSv以上を超える被ばくが強いられ、人権侵害である」、「JCOだけでなく臨界事故の背景にいる国や動燃の責任も問われるべきだ」と訴えました。そのうえでJCO臨界事故とフクシマ事故の被害者をつなぐ視点としての事故被害者の人権確立が必要であることが語られました。
 
 特別報告として東海第二原発運転差止裁判の青木秀樹弁護士からは、原発の本来的危険性を訴え、差止を勝ち取るという決意が述べられました。
 
 集会の最後に集会アピールを採択し、東海駅に向かって村内デモを行いました。
 
 なお、この集会に、東海村長や水戸市長など県内36の自治体首長からメッセージをいただきました。
 
 
 JCO臨界事故20周年集会アピール
 

 2019年の今年はJCO臨界事故の20周年に当ります。そのとき生まれた人は20歳になり、40歳だった人は60歳を迎えています。時間はたちましたが、原子力の危険性にかかわることは何も変わっていません。したがって不幸にも、事故後11年目に福島第一原発事故が起きるべくして起こってしまいました。

原子力の危険性の根源は核分裂連鎖反応によって生みだされる放射性物質にあり、それを無毒化・無害化できないという簡単な真理につきます。核燃料製造の作業でも、原発の稼働によってもそれは作り出されます。その危険物を「閉じ込め」て環境に出さないことができると、原発会社や規制当局や御用学者は主張して、狭い国土に54基も原発を立ててきました。愚かにも、またその道を歩もうとしています。しかし、「閉じ込め」が完全にできるというのは人間の傲慢というものです。

JCO臨界事故は、高濃度の中濃縮ウラン溶液の均一化を求める動燃の無理な生産要求、無許可の設備の設置や利用というJCOの会社ぐるみの違法行為、規制当局の甘い審査、それが相乗して引き起こされました。これらの原因事象は、他との絶えざる競争にさらされる企業・労働者に絶えずつきまとってくるものであり、それらの誘惑を完全になくすことはできません。

福島第一原発の真の事故原因も経営上の理由から防潮堤への投資を怠ったことによってか、あるいは巨大な地震動によって機器が破損したことがメルトダウンを引き起こしたのか、またはそれらの相乗によるのか福島第一原発の事故原因ははっきりしませんが、いずれにしろ経営判断の如何や想定を超える大地震・大津波という自然現象に襲われることが事故原因となることは否定できず、放射性物質の「閉じ込め」失敗につながりました。その他さまざまの思わぬ事象が「閉じ込め」を失敗に導きます。そして、「閉じ込め」ができなければ、福島第一原発事故やチェルノブイリ事故となり、国土の喪失や人の人生を変えてしまう巨大な原子力災害に帰結することを私たちは知っています。

 今、世界は自然エネルギーなど危険性の少ないエネルギー源へシフトし、原発がなければ人々の生活に支障が出るという時代ではなくなっています。JCO臨界事故20周年の今こそ原子力エネルギーを廃棄する新たな決意のときにしましょう。

改めて訴えます。

JCO臨界事故による、人間の五感ではつかむことのできない放射性物質・放射線の恐怖を語り継いでいきましょう。東海第二原発の再稼働を許さず、廃止措置を日本原電に求めていきましょう。すでに存在している放射性物質・放射性廃棄物はその場所で厳重に管理していきましょう。福島第一原発事故により人生を変えられた被災者への万全の補償を東電に要求していきましょう。自然エネルギーなどによる人に優しいエネルギー体系を築き上げましよう。それらの動きを今からさらに強めていきましょう。

 2019年9月29日

JCO臨界事故20周年集会参加者一同

 

 

「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」記念イベント を開催

2019年09月23日

 「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」記念イベント 

【核なき世界へ向けて -それって他人事?自分事?-】を開催しました

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 9月23日、原水禁も参加する「核廃絶NGO連絡会」が主催する『核なき世界に向けて-それって他人事?自分事?』が開催されました。このイベントは、国連広報センターの協力を得て「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」を記念して行われました。

  一部では「核なき世界へ向けての取り組み」として、活動報告のほか、プリンストン大学の研究センターで作成された映像などを使い、現在の戦力による核兵器が使用されたときの恐怖を伝えました。

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  二部では、「核兵器を自分事として考える」をテーマにパネルディスカッションが行われました。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんをコーディネーターに向かえ、10代から80代までのパネリスト5人と、核廃絶へ向けたそれぞれの取り組みの紹介や議論がなされました。

  参加者の高校生や大学生からも質問があり、若い世代が意識的に活動してくれる希望とともに、平和運動へのイメージや現在の在り方などの課題も浮き彫りとなりました。

 

◆ 核兵器廃絶日本NGO連絡会 Japan NGO Network for Nuclear Weapons Abolition

 

 

 以下、案内告知

「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」記念イベント

核なき世界へ向けて -それって他人事?自分事?- のご案内
 
 9月26日は国連が定めた「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」です。これに合わせ、原水禁も参加する「核兵器廃絶日本NGO連絡会」では、2015年より毎年、国連広報センターの共催をえて核兵器廃絶に向けた世論を喚起する行事を行ってきました。5年目となる今年は、「核なき世界へ向けて -それって他人事?自分事?-」と題して、若い世代がこの問題に関わることの重要性に力点を置いたイベントを9月23日(月・祝)に東京・渋谷の国連大学にて行います。被爆者、NGO関係者、元高校生平和大使、外務省の軍縮・不拡散担当者らが参加するパネル討論を、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんがモデレーターとして進行する予定です。
 
 行事の概要は、下記の通りです。
 
 
「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」記念イベント
核なき世界へ向けて
-それって他人事?自分事?-
 
 
日時:2019 年 9 月 23 日(月・祝)
   13:30開場 14:00開始(17:00 終了予定)
場所:国連大学 2階レセプションホール
   東京都渋谷区神宮前5-53-70
主催:核兵器廃絶日本NGO連絡会
共催:国連広報センター
協力:ヒバクシャ国際署名連絡会
参加無料
 
 
プログラム:
14:00 開会
司会 川崎哲(核兵器廃絶日本NGO連絡会共同世話人/ピースボート)
開会挨拶
外務大臣メッセージ(要請中)
 
第1部 核なき世界へ向けての取り組み
 
佐藤桃子(国連広報センター広報官)
和田征子(日本原水爆被害者団体協議会)
外務省
 
第2部 パネルディスカッション「核兵器を自分事として考える」
 
モデレーター
安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
 
パネリスト
林田光弘(「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンリーダー)
外務省
布川仁美(元高校生平和大使/ミュージカル「Signs!」に出演)
渡邉英徳(東京大学/「記憶の解凍」プロジェクト)
和田征子(日本原水爆被害者団体協議会)
 
閉会のことば
 
開催趣旨文:
 核兵器廃絶といっても、あまりに遠く大きな目標で、自分には何もできないと感じる人も多いのではないでしょうか。
 現実には、広島・長崎の被爆者たちの運動によって、国連で2年前に核兵器禁止条約が採択されました。一方で核保有国の中には、これまでの核軍縮合意を破棄する動きが見られます。こうした核をめぐる世界の今の動きを知り、政府、NGO、学生たちの実際の活動について話を聞いて、自分にできることを考えてみませんか。
 
詳細:
https://nuclearabolitionjpn.wordpress.com/
 
 
 

東京電力旧経営陣に対する東京地裁「無罪判決」に強く抗議する(声明)

2019年09月20日

 昨日(9月19日)東京地方裁判所(永渕健一裁判長)は、2011年3月11日の福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣の3被告に対して、無罪を言い渡した。私たちはこの不当な判決に対し、心の底から怒り、強く抗議する。福島第一原発事故は、避難時において多くの人々を死においやり、放射性物質による広範囲の汚染によって住環境を奪い、人々の安寧な生活を破壊した。未だ故郷に帰還できない人々がいる。汚染水はたまり続け、事故収束の目処は全く立っていない。この未曾有の被害に対して、判決は責任の所在を全く曖昧にした。裁判官は、福島原発事故の実相に全く触れていない。被害者無視の判決と言わざるを得ない。これまでも、そしてこれからも被害を受け続ける人々にとって、到底受け入れることのできない、市民感覚、社会通念を欠いた判決である。
 裁判では、東日本大震災による津波の予見とそのための対策を取らなかったことが主な争点とされた。判決では、事故前に15.7メートルの津波が来るとの試算があったにもかかわらず、3被告が認識していた事情は、津波の襲来を合理的に予測させる程度に信頼性・具体性のあるものではなかったとして、訴えを退けた。判決は、事故時点では完璧な安全性を求められていたものではないとして、対策の先送りを是としている。また、対策に着手したとしても、事故前までに完了できたかは判然としないと述べている。そして、運転停止の判断は、3被告には到底できなかったと擁護している。問われているのは、判決が「事故の結果は誠に重大で取り返しの付かないものだ」と述べた原発事故への、運転責任者としての東京電力の姿勢である。東電が、津波の予想に接してもなお、最大限できうる津波対策を行った事実は全くない。原発事故リスクへの鈍感さだけでも企業責任者としての資格はなく、そのことこそが問われているのである。企業のトップは、結果に対して責任をもつべきであり、その責任をとる覚悟もない者が、最高責任者になるべきではない。
 判決は、地震発生時までの時点では、規制基準や国の指針、審査基準のあり方は、絶対的安全性の確保までを前提としていない、だから、予見可能性の有無にかかわらず刑事責任は負わないとしている。しかし、これまで国や電力会社は、「原発安全論」を振りまき、過酷事故や全電源喪失などはあり得ないとして「原子力安全神話」を作ってきた。そのことを、全国の原発裁判の中で、司法も容認してきた。その結果が福島原発事故ではなかったのか。そのことへの反省もなく、事故責任を不問とする今回の判決は、福島原発事故以降の市民社会の感覚と大きくかけ離れている。国会事故調査委員会報告でも事故は、「明らかに人災」だと指摘していることも忘れるわけにはいかない。
 私たち原水禁は、長きにわたって原発反対の運動を展開してきた。福島原発事故を止められなかったことの忸怩たる思いをもって、引き続き東京電力の事故責任の追及と共に、脱原発社会をめざし原子力政策の転換を強く求めていく。あわせて司法の問題性を問い、各地で闘われている福島原発事故に関わる裁判を支援していく。さらに企業の刑事責任を問う司法制度の確立も強く訴えていく。
 2019年9月20日
原水爆禁止日本国民会議
議 長  川野 浩一

9.16さようなら原発全国集会が開催されました

2019年09月16日

9.16さようなら原発全国集会が開催されました 

 

 9月16日、東京・代々木公園で「さようなら原発全国集会」(主催・「さようなら原発1千万署名」市民の会)が開催され、全国各地から8,000人が参加しました。福島原発事故から8年半がたちますが、いまだ多くの難題を抱え、4万人を越える被災者が苦しい避難生活を続ける中で、「フクシマを忘れない」、「脱原発社会の実現」を掲げて、様々な課題が訴えられました。

 

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  オープニングでは、福島県郡山市出身の歌うケアマネ―ジャー・介護士のあべじゅんさんが綺麗で力強い歌声を届けてくれました。

 

 

 

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  続いて、ジンタらムータの5人が、パワフルかつムード溢れる演奏をしてくれました。

 

 

 

  otiaikeiko.jpgのサムネール画像  主催者を代表して、落合恵子さんは、「原発被害は現在進行形で進んでいる。新しい環境大臣は、どう対応するのか問いかけていきましょう。」と熱く語り、「原発ゼロをめざしていきましょう。できなければ私たちは、なんて悲しい人生を送っているのでしょうか。」との澤地久枝さんからのメッセージも紹介しました。

 

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  千脇美和さん(福島原発事故刑事告訴支援団)から、これまで行われてきた「福島原発事故の責任を問う東電刑事裁判」の争点について報告・説明があり、3日後の9月19日に判決が出ることが報告されました。 また、熊本美彌子さん(避難の協同センター)から、避難当時、国家公務員宿舎に入るしかない状況で、契約内容も確認することなく契約・入居した人たちが、2年間の契約だったため、現在、家賃・駐車場代を2倍の金額を払うように言われ、納付書が送られていることが報告されました。

tomosann.jpg  飯舘村焼却場被曝労働裁判原告のともさんは、福島原発事故後、煙突のすす払いの作業中にすすをかぶる状態で作業させられたことなど、ご自身が体験した被爆労働について報告し、福島での劣悪な労働環境の問題点を指摘しました。

 

 

kimotaosayuri.jpgのサムネール画像 子どもたちの甲状腺検査に関わってきた木本さゆりさん(東海第二原発差し止め訴訟)は、震災当時、放射線汚染を身近に感じ、ヒバクは現実のものとして、自治体に調査等を求めたこと、その後の取り組みについて報告されました。

 

 

 

 

 

 

 

yamasakigiinn.jpg また、2018年3月に立憲民主党など野党4党が中心となって国会に提出した「原発ゼロ基本法案」が、原発推進の与党などによって、本来真摯にエネルギー政策が議論されるべきところが棚ざらしになっていると、山崎誠議員(立憲民主党)から報告されました。 

 

 

 

 

 

 

 

 連帯のあいさつとして、核兵器廃絶のための署名活動を行っている高校生1万人署名活動、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会の木村辰彦さん、戦争させない・9 条壊すな ! 総がかり行動実行委員会の福山真劫さんがそれぞれの活動を報告しました。

 kamatasatoshi.jpg  最後に呼びかけ人の鎌田慧さんから、事故後の8年半、原発はどうしたら安全かなどの科学論争が行われてきたが、人類と原発は共存できないことがはっきりした。人間として原発を許すことはできない。市民一人ひとりが立ち上がり、がんばりましょう。との力強い訴えがあり、集会は閉会しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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9.16さようなら原発全国集会

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日時:2019年9月16日(月)敬老の日

会場:代々木公園B地区

(JR山手線「原宿駅」、地下鉄千代田線「明治神宮前駅」 千代田線「代々木公園駅」、小田急線「代々木八幡駅」)

 

スケジュール

11:00 出店ブース開店

 12:30 開会 野外ステージ   コンサート あべじゅんさん、じんたらムータ

 13:30 発言 呼びかけ人から  鎌田慧さん、落合恵子さん、

       フクシマから   地脇美和さん(福島原発事故刑事告支援団)

               村田弘さん、熊本美彌子さん(避難の協同センター)

               ともさん(飯館村焼却場被曝労働裁判原告)

       東海村から    第二原発再稼働問題

       連帯あいさつ     福山真劫さん(戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)

                                   木村辰彦さん(「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会)

                      高校生1万人署名活動から

 15:10 デモ出発

       渋谷コース:会場→渋谷駅前→明治通り→神宮通公園解散

                     原宿コース:会場→原宿駅→表参道→外苑前駅周辺解散

 

※ステージ上の発言には手話通訳があります。

 

 

●集会賛同のお願い

  本集会に賛同をお願いいたします。

 賛同いただいた方は、さようなら原発のホームページに掲載させていただきます。郵便振替用紙の通信欄に「9・16 さようなら原発集会賛同」と明記のうえ、下記にお振り込みください。

 口座番号:00100-8-663541

加入者:フォーラム平和・人権・環境

個人1口 1,000円 / 団体1口 3,000円

 

主催:「さようなら原発」一千万署名 市民の会

 内橋克人 大江健三郎 落合恵子 鎌田慧 坂本龍一 澤地久枝 瀬戸内寂聴

 協力:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

 連絡先:さようなら原発1000万人アクション事務局

東京都千代田区神田駿河台3-2-11 連合会館1F 原水禁気付 TEL.03-5289-8224

Email : sayonara2nukes☆gmail.com(☆を@に変えて下さい)

 

http://sayonara-nukes.org/(「さようなら原発」で検索)

 

 

 

 

 

 

 

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