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止めよう再処理!共同行動ニュース7/27号記事から

2011年07月27日

原子力に民主主義はあるか!
九州電力「やらせメール」に抗議する!
 
九州電力の「やらせメール」は氷山の一角だ!
 九州電力は7月6日の記者会見で、玄海原発2・3号機の運転再開にむけて、経済産業省が6月26日に佐賀県内のケーブルテレビなどで中継した「説明会」に関して、九州電力の社員が原発の職員や関連会社社員らに対して、運転再開に賛成する意見を電子メールで送るよう働きかけていたことを認めました。
 その内容は、原子力発電本部の課長級社員が、原発関連業務を担当する子会社4社(西日本プラント工業、九電産業、西日本技術開発、ニシムラ電子工業)と玄海、川内の原発3事業所に対して、発電再開を容認する意見を一国民の立場で送信するよう、メールで依頼していたというものです。
 こうした文字通りの「やらせメール」問題は、県民世論の誘導を図り、説明会番組の公平性に疑問を投げかけ、県民を冒とくするものです。特に、見過ごしてならないことは、この件は、一社員の問題ではなく、県民の不安や疑問に充分に応えることなく運転再開を急ぐ九州電力の姿勢を反映していると言えることです。
こうした「やらせメール」に準じるような世論誘導は、九州電力だけが行っているのではないと思われます。

まやかしの意見公募
 これまでも原発を進めるために行ってきた「公開ヒアリング」も「推進ありき」を前提に進められ、意見を「聞き置く」だけで、セレモニーと化していました。さらに政府が進める「パブリックコメント」も実質「聞き置く」ものとなっており、意見が真剣に討議されることなどありませんでした。すべて「推進」が前提の意見公募では、原子力政策には何も影響を与えないことがハッキリしています。「原子力推進」の前では、何を言っても変わらないという無力感がありました。

民主主義は「原発の門前で立ちすくむ」
 九州電力の「やらせメール」問題も、これまでの公開ヒアリングもそしてパブリックコメントも実態として原発推進のための露払いの役割を演じてきました。
また、地元に多額の交付金や公共事業の導入で、経済的にも「原発経済」に依存する地域社会に変えてしまうことに、大きな問題があります。「原発城下町」にならば、原発に不安があっても何も言えなくなるような雰囲気をつくり出し、その不安を払拭しようとするかのように、「原子力の安全神話」にすがって、人為的な安全がつくり出されていました。しかし、今回の福島原発事故でその「安全神話」は崩壊し、多くの推進派の人たちも「裏切られた」とする気持ちが大きかったのではないでしょうか。
 その前に、原発誘致の際に「賛成」「反対」で村や町が二分され、地域社会が崩壊させられてきたことも問題です。地域を豊かにするはずの開発が、地域を分断し、モノを言えなくなる社会をつくり出してきたところに、どのような民主主義があり得るでしょうか。
 原発があることによって、「管理社会の到来」をドイツの哲学者であるロベルト・ユンクが警告していました。今も、福島原発の問題では、情報公開が大きな問題となっています。情報の公開は民主主義の根幹に関わることです。情報操作の世論づくり、交付金等のお金がばらまかれることによる住民の民意を懐柔すること、公開ヒアリングなどと称して形式的に意見を聞き置き、切り捨てること等々、原発は民主主義そのものを圧殺しています。
 さらに、原発での被曝労働の実態も明らかにならないような状況もあります。まさに、原発は秘密主義(管理社会)でしか成り立たないものとしてあります。
 熊沢誠さんの「民主主義は工場の門前で立ちすくむ」という日本の工場の非民主主義的体質を訴えた本がありました。まさに原発も「民主主義は原発の前で立ちすくむ」状況をもたらしています。このような閉塞した状況を打ち破ることが今こそ必要です。

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