2011年、分科会報告、原水禁大会
【66大会・報告】広島第1分科会/脱原子力1―学習編「福島原発事故と脱原発社会の選択」
2011年08月05日
まず初めに、原子力資料情報室・共同代表で原水禁副議長の西尾漠さんより、「福島原発事故と脱原発社会の選択」ということで、3月11日に発生した「東日本大震災」に伴う福島第一原発事故の現状や今後の危険性、そして原発を止めていくための提起がされました。
チェルノブイリ事故から25年が経過している今年。事故が起こってから4ヵ月。いまだに被害が拡大している状況がある一方、国際評価でもチェルノブイリと並ぶ、それ以上ともいえる史上最悪の
事故であることが述べられました。
「人災」とも言えるこの事故は、「大きい事故は起きていない」思い込みから、今回の「想定外」につながったことであるとともに、福島原発のように、既存の施設に複数もの原発が集中する中で、今回はそれぞれの異なる危険性が相互に影響しており、外部電源喪失から始まり津波による拡大、メルトダウンに至る中で止めることはできたものの、「冷やす、閉じ込める」ことのすべてにおいて、失敗している現状。自身と原発による「原発震災」となっている中で、放射能汚染がより一層、事故収束の弊害にもなっています。
また、3回、4回とロードマップが示されましたが、事故の実情はわからないままです。その障害となっているものは、自らが放出している放射能をはじめ、原発労働者についても、防げたはずの被曝が防げなかった現状につながっています。
こうした中で、今後議論すべき課題について、いくつか出されており、空、海、大地、地下へと広がる放射能汚染の中で、自身が判断を下し、がまんするしかないことと、国に対して主張していくことが重要であり、二度とこうした事故を起こしてはならないし、原発は止めていかなければならないということが述べられました。
そのためにも現在、国内に54基ある原発が16基しか稼動していないことを考えれば、その分の確保は節電等によって可能であり、節電から効率性向上による低エネルギー消費への移行など、自然エネルギーをうまく利用していくことも述べられました。
質問や意見
1.マスコミ報道された牛肉を政府・東京電力の食堂で出すべき。
2.報道の姿勢について疑問がある。
3.国や東電の責任の取り方が不明確。また、送発電の分離について教えてほしい。
4.「止める」までは行われたが、「冷やす、閉じ込める」はそもそも可能か。
5.フランスと米国の製品を使用しているが、つなぎの不良を含めて大丈夫か。
6.どうしたら子どもたちを福島へ帰せるか。
7.再稼動をどう止めるべきか。被爆国として、何が必要か。
答弁
1.「東京電力」と一括りに言っても、経営側と一般社員は異なると思う。
2.政府は東電を生かそうとしており、出資者の責任は問われていない。むしろ、政府に移すなどの考え方もあるはずで、そこは問題だと考えている。
(鈴木郁夫)